住宅ローンの審査

元銀行員が明かす住宅ローンの審査が甘いのは”地方銀行とフラット35”

住宅ローンの審査業務の経験がある、元銀行員のタツヤです。

住宅ローンの審査を受けると、信用情報を調べましたという履歴が残ります。なので軽い気分で、審査に通過するまでいろんな銀行の審査を受けるわけにはいきません。

仮に5つ目の銀行の審査を受けるとして、その銀行は申込者がこれまで4つの銀行のローン審査を受けていることが分かります。

何度も何度もいろんな銀行の審査を受けているような人を、果たして銀行は審査に通したいと思うでしょうか?

つまり、住宅ローンの審査に通過するか不安な人は、審査に甘いとされる銀行の住宅ローンを受ける必要があるということです。

銀行の審査方法はトップ・シークレットなので、各銀行がどんな審査方法をしているのかを詳しく知ることはできません。

しかし、全体的な傾向としてどんな銀行が審査に甘いかは、経験上分かります。今回は

  • 審査に甘いとされている銀行とその理由
  • 一般的に言われている、審査に甘い銀行の特徴の嘘
  • 審査に甘い銀行にだけ申し込むのは間違い

こういった内容をお伝えしていこうと思います。

ミホ
ミホ
甘い話には裏がある!
タツヤ
タツヤ
そういったことも含めてお伝えしていきましょう(苦笑)

審査に甘い住宅ローンの特徴

小さい地方銀行や信用金庫の住宅ローン

※画像引用:College Cafe

だいたいどこの地域にも、預金残高や企業への貸出残高でトップシェアを握っている銀行があります。狙い目は、地方銀行でも預金残高などのシェアが二番目、三番目とされる銀行です。

また、信用金庫も狙い目となる銀行の一つです。

営業力に劣る銀行は審査に甘くなる

トップシェアを握っていない小さい地方銀行や信用金庫は、メガバンクやネット銀行・トップシェアの地方銀行と比べると営業力に劣ります。

店舗も少ないですし、営業人員も限られてきますので、どうしても住宅ローンを売る力が弱くなるのです。

一般的に住宅ローンの申込みを考えている人が、申し込みをする際に第一候補となるのは、メガバンクやネット銀行・トップシェアの地方銀行になります。

メガバンクやトップシェアの地方銀行は知名度が圧倒的ですし、ネットに強い人や金利を気にする人はネット銀行も第一候補となります。

住宅ローンの第一候補
  • 都市部に住んでいる人:メガバンク、ネット銀行
  • 地方に住んでいる人:地方のトップシェアの銀行、ネット銀行

審査を緩くしないと、住宅ローン残高を増やせない

小さい地方銀行や信用金庫は、メガバンクなどの審査に落ちた人の第二候補として審査に出されるケースも多々あります。

そのため、営業力や知名度で劣る地銀や信用金庫が、メガバンクなどと戦っていくためには、ある程度審査基準を下げざるを得ないのです。

県別の銀行のシェアについて知りたい方はこちらからどうぞ。

フラット35

フラット35とは、国が管轄している住宅金融支援機構というところが提供している住宅ローンです。

一般的な住宅ローンは民間銀行が提供しているのに対して、フラット35は国管轄の金融機関が提供している住宅ローンになります。

扱っているローンは全期間固定金利のみで、基本的にはどこの金融機関からでも申込みすることができます。

フラット35のデメリット・メリットを元銀行員が徹底解説

フラット35が審査に甘い理由は主に次の2点です。

  • 年収・勤務形態・勤続年数の基準がない
  • 申込み基準は返済比率のみ

年収・勤務形態・勤続年数の申込み基準がない

住宅ローンの審査では様々な項目を調査していきますが、「年収・勤務形態・勤続年数」はなかでも特に重要な項目です。

にも関わらずフラット35の場合、年収・勤務形態・勤続年数に申込み基準が全くありません。

一般的な銀行であれば、

  • 年収:200万円以上
  • 勤続年数:1年以上(自営業は3年以上)

というような申込み条件があるところが多いです。

また勤務形態については、申込み条件に明記しているところは少ないですが、契約社員や派遣社員が審査に通るのは実際難しいです。パート勤務に関しては申し込みの段階で落とされるところが大半です。

こういったなかで、フラット35は年収・勤務形態・勤続年数による申込みの条件がありません。属性による区別はありませんので、契約社員・派遣社員・パート社員の方も正社員の方と同じように審査されます。

申込基準は返済比率のみ

返済比率の計算式

それじゃフラット35には何も申込基準がないのかというと「返済比率のみ」あります。返済比率とは年収に対するローンの年間返済額の割合のことをいいます。

例えば、年収400万円の人でローンの年間返済額が100万円だと返済比率は25%だということです。

フラット35の返済比率基準
  • 年収400万円以上:35%以下
  • 年収400万円未満:30%以下

※ローンの年間返済額には住宅ローン以外のローンも含める

返済比率に関しては上の基準さえ満たせば誰でも申込み可能です。

ローンの年間返済額のシュミレーション

金利に幅がある銀行

実は各銀行の金利を見てみると、金利に幅がある銀行と、幅がない銀行があります。

変動金利
三菱UFJ 0.625%
三井住友 0.625%
みずほ 0.625~1.075%
住信SBIネット 0.457%
じぶん銀行 0.457%
楽天 0.527~1.177%

メガバンクの例で見てみると分かりやすいですが、三菱UFJも三井住友もみずほも、0.625%という金利は全て横並びで差はありません。

しかし、みずほのみ、1.075%まで金利に余裕を持たせています。

住宅ローンの金利と審査の相関関係

一般的に、金利の高さと審査の甘さには相関関係があって、金利が高ければ高いほど審査は甘くなります。

そのため、金利に幅がある銀行の場合、「金利を上げていいなら、その分審査を甘くできますよ」ということを表しています。

こういった銀行の場合、通常の審査では落ちたとしても、例えば「最低金利より0.3%高くなりますが、この金利であれば審査に通します」というような通知が来ることもあります。

”間違った”住宅ローンの甘い審査理由

他の記事などを見ていると、「審査の甘い住宅ローンの特徴」について書かれているものも多いですが、元銀行員としてこれは間違っているな、と思うものもいくつかあります。

その点についても軽く触れておきましょう。

申込み条件が緩いと審査が甘くなるは嘘

「申込み条件が緩いと審査が甘くなる」これはよく見かける表現です。

A銀行

  • 年収:300万円
  • 勤続年数:1年以上(自営業は3年以上)

B銀行

  • 年収:特になし
  • 勤続年数:特になし

例えば、A銀行とB銀行とを比べると、B銀行の申込み条件が緩いので、B銀行の方が審査が甘くなるということです。これは全くの間違いです。審査条件が緩いか厳しいかは単なる審査方法の違いです。

審査条件が緩い銀行は加点減点方式の審査をしている

一般的に住宅ローンの審査方法には2種類あります。

要綱審査とリスク軽量化モデル審査の違い
要綱審査

要綱審査とは簡単に言うと、「審査に落とす足切り条件をつくって、足切り条件に引っかかった人のみ、審査に落ちる方式」です。

  • 年収:300万円以上
  • 勤続年数:1年以上(自営業は3年以上)
  • 返済比率:35%以上
  • 勤務形態:契約社員や派遣社員の場合年収は正社員の7割で見る
  • 信用情報:過去に延滞が3回以上ないか

例えば、このような審査項目(足切り条件)を作って、条件に引っかかった人のみ審査に落ちます。

要綱審査を採用している銀行の場合、いくつかある足切り条件のうち一部を申込み条件に書いている場合が多いです。なので、要綱審査の銀行では申込み条件が必然的に厳しくなるのです。

リスク軽量化モデル審査

リスク軽量化モデル審査とは簡単に言うと、「加点減点方式」です。

「年収」

  • 年収200万円~300万円:3点
  • 年収300万円~400万円:5点
  • 年収400万円~500万円:7点

「勤続年数」

  • 1年未満:3点
  • 1年~2年:5点
  • 3年以上:7点

このような感じで、年収・勤続年数・勤務形態・返済比率など各項目に一つ一つ点数を付けていきます。

最終的に一定の点数以上であれば審査に通過します。リスク軽量化モデル審査の場合、全ての審査項目を総合的に判断するので、要綱審査のように、「年収300万円以下は不合格」のような足切り条件を設けていません。

そのため、リスク軽量化モデル審査を採用している銀行の場合、審査条件は必然的にゆるくなるのです。

  • 要綱審査→申込み条件が厳しくなりがち
  • リスク軽量化モデル審査→申込み条件が緩くなりがち

このように、申込み条件の緩さは審査の甘さに繋がっているわけではなく、単に審査方法が異なるというだけです。

保証会社を使っている銀行の審査が甘くなるは嘘

保証会社とは、契約者が住宅ローンを返済できなくなるリスクに備えて銀行が入る保険です。仮に契約者がローンを支払えなくなると、保証会社から銀行に債務の返済が行われます。

保証会社を使っているか使っていないかは銀行によって異なってきます。

そして、「保証会社を使っている銀行は審査が甘くなる」という表現もよく見かけますが、これも間違いです。

保証会社を使うと、万が一契約者がローンの返済ができなくなっても保証会社に弁済してもらうことができます。そのため、保証会社の保証を受けている住宅ローンの場合、審査が甘くなるということです。

しかし、これは間違いです。

多くの銀行は自社グループの保証会社を使っている

というのも多くの銀行は同じグループ内の保証会社を使っています。これはメガバンクにしろ、地方銀行にしろ全て同じです。

つまり、仮に保証会社を使っている住宅ローンの返済が滞ってしまったとしても、結局は同じグループ内の会社による損失になります。

そのため保証会社があろうがなかろうが、グループ全体としての損失は変わらないので、保証会社を使っているからリスクが減って、審査が甘くなるということはありません。

審査の甘い銀行にだけ住宅ローンを申し込むな!

ここまで、審査に甘い銀行の特徴として、次の3つについてお伝えしてきました。

  • 小さい地方銀行・信用金庫
  • フラット35
  • 金利に幅がある銀行

ただし、「これらの銀行だけ」審査に出すのはあまりオススメできません。

というのも、先程も触れましたが、審査が甘い銀行はそれだけ金利が高くなるからです。

地銀の審査に落ちてネット銀行の審査に通ることもある

一般的にネット銀行は金利が低いですがその分、審査が厳しいとされていますし、そういった傾向があるのは事実です。

しかし、住宅ローンの審査基準というのは銀行によって本当に様々です。審査の手法自体も異なりますし、年収・勤務先・信用情報など、どの項目をどれくらい重視するのかもバラバラです。

そのため、ネット銀行やメガバンクが審査に厳しい傾向があるといっても、各銀行の審査方法が異なる限り「地銀や信用金庫の審査に落ちて、ネット銀行の審査に通る」というようなことは起こりうるのです。

金利の低い銀行も並行して事前審査に出す

初めから「審査に通らないだろう」と考えて金利の高い銀行にだけ審査に申し込むのは非常にもったいないことです。

安易に妥協してしまって、金利の高い銀行にすることで、あとあと返済で苦しい思いをしてしまいます。住宅ローンの場合、少しの金利差であっても、最終的な総支払額は大きく異なってきます。

住宅ローンの事前審査は3行くらいであれば、複数審査に出しても全く問題ありません。

そのため、「2行は審査に通りやすい銀行にして、1行だけ金利が低い銀行にも審査を出す」というような感じがオススメです。

住宅ローンの審査が甘いオススメの銀行

ARUHIのフラット35

アルヒは、国内最大手の住宅ローン専門金融機関で、フラット35を専門に取り扱っています。

基本的にフラット35は、どこの金融機関で申し込んでも金利は同じですし、審査も住宅金融支援機構のマニュアルに沿って行われるので、審査基準も同じです。

ただしARUHIの場合他の銀行と違って、融資率や返済比率で一定の条件をクリアすることで、通常のフラット35よりさらに低金利で借りることができます。

このサービスがあるのはARUHIだけです。

他にもアート引越センターやサカイ引越センターの基本料金が25%OFFになるサービスが付いていたりと、他の銀行にはないサービスを取り揃えています。

フラット35をどこの銀行で申し込もうか迷っている人はARUHIを選んで間違いないです。

→事前審査の申込みはこちら

楽天銀行

楽天銀行

楽天銀行は他の銀行と比べて格別審査が甘いわけではありません。ただ、金利に幅があるので、通常、審査に落ちる場合でも、金利を高くすることで審査に通ることがあります。

またもちろん、ネット銀行特有の「金利の低さ」の特徴も持ち合わせています。

仮に最低金利で審査が通ったら、地銀や信用金庫よりも低い金利で借りることができますし、金利に納得がいかなければ断ればOKです。

住信SBIネット銀行

住信SBIネット銀行は業界トップクラスの金利の低さを持った銀行です。変動金利にしろ固定金利にしろものすごい破壊力のある金利の低さです。

元銀行員の僕からすると信じられない金利を提供しています。

審査自体は甘いわけではありませんが、「金利の低い銀行の事前審査も受けたい」と考えている人にはオススメです。

→事前審査の申込みはこちら

 

もっと詳しく住宅ローンの審査について知りたいという方は次の記事をご覧ください。

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以上、元銀行員が明かす住宅ローンの審査が甘いのは”地方銀行とフラット35”…という話題でした。