住宅ローンの税金関連

リフォームで住宅ローン控除を受けるための条件や控除額をゼロから徹底解説

「リフォームを考えているけど、控除制度がいくつかあって、どれを使えばいいのかよく分からない!」

住宅ローンの審査業務の経験がある、元銀行員のタツヤです。

リフォームの控除制度って本当にややこしいですよね。住宅購入の場合、利用可能な住宅ローン控除制度は一つしかありません。

それに対してリフォームの場合、三つの控除制度があるので、

  • どの制度を使えば良いのか?
  • いくら控除されるのか?

などなど疑問が増えて、こんがらがってきますよね。

ただ制度を利用することで、大きなリフォームでなくても数十万円の控除額がもらえる場合もあります。控除制度を使わないなんてもったいな過ぎます。

当記事では、リフォームした場合の住宅ローン控除について、知識ゼロの人でも理解できるように、丁寧に解説していきます。

ミホ
ミホ
リフォームの控除制度について調べてるんだけど、訳分かんない!
タツヤ
タツヤ
3つの控除制度について丁寧に解説していきますよ!

リフォームの住宅ローン控除の全体像

住宅をリフォームする場合、

  • 中古住宅(一軒家)をリフォームする
  • 中古マンションをリフォームする

この二つの可能性がありますが、これからお伝えする控除制度は、どちらにも共通するお話しになります。

まずリフォームをする場合の控除制度ですが、次の三つのどれかの制度を使うことになります。

  1. 借入期間が10年以上の場合(住宅ローン控除)
  2. 借入期間が5年以上の場合(リフォームローン型減税)
  3. 借入条件なし(リフォーム投資型減税)

リフォームをして銀行から借入をする場合は、①住宅ローン控除・②リフォームローン型減税どちらかの制度を受けることができます。この二つの違いは、単純に借入期間の長さです。

借入期間が10年以上の場合は①住宅ローン控除で、借入期間が5年以上の場合は、リフォームローン型減税を受けることができます。

また自己資金があるので借入をしない人もいると思います。その場合は、③リフォーム投資型減税を受けることができます。

一つづつ詳しく見てみましょう。

①借入期間が10年以上の場合(住宅ローン控除)

一般的に住宅ローン控除とか、住宅ローン減税と言われている制度で、一番利用者の多い住宅ローン控除制度です。

対象となる工事

最大控除額
①耐震 30万円×10年
②バリアフリー
③省エネ
④同居対応
⑤長期優良住宅
①~⑤以外の工事

耐震からバリアフリー、壁や床の張替えなどの一般的な工事まで、あらゆるリフォーム工事に適用可能です。

ただし、①耐震化~⑤長期優良住宅以外の工事に関しては、以下の条件を満たす必要があります。

  • 家屋の壁・床・柱・はり・屋根または階段のいずれか一つ以上について行う場合、半分以上の修繕・模様替え
  • 居室・調理室・浴室・便所・洗面所・納戸・玄関または廊下の一室の場合、床または壁の全部について行う修繕・模様替え

つまり、家の壁や床、柱などをリフォームする場合は、全体の半分以上を行う必要があるということです。

また、居室や浴室、トイレなどをリフォームする場合は、壁や床も含めて一室全部をリフォームする必要があるということです。

例えば、トイレのリフォームを考えている場合、壁や床の張替えはせずにトイレの便器だけの交換では、リフォームにはならないので、控除は受けられません。

控除金額や期間

住宅ローン控除
最大控除額 40万円
控除期間 10年
控除率 1%

控除額については、リフォームの種類に関わらず、一律で借入額の年末残高1%と決まっています。つまり、年末残高のの1%分が所得税や住民税から控除されるということです。

例えば、1,000万円のリフォーム代金を銀行から借入したとします。その場合控除額は、次のようになります。

1,000万円×1%=10万円

毎年年末の残高に応じて、10年間控除することができます。ただし、一年間に控除できる最大額は40万円までです。

住宅ローン控除とは?基本的な仕組みを図解で分かりやすく解説住宅控除をすると、10年間で100万円~300万円ものお金がキャッシュバックされます。非常にお得な制度ですが、分かりにくい点も多いですよね。当記事では住宅控除の基本的な仕組みについて図解入りでやさしく解説します。...
ミホ
ミホ
いろいろなリフォームに対応しているから便利ね!
タツヤ
タツヤ
壁や床の張替え、トイレなどの一般的なリフォームにも控除が適用されるのはこの制度だけです!

②借入期間が5年以上の場合(リフォームローン型減税)

借入期間が5年以上の場合は、リフォームローン型減税を受けることができます。

対象となる工事

最大控除額
①耐震 ②~⑤を併用する場合に可能
②バリアフリー 12.5万円×5年
③省エネ
④同居対応
⑤長期優良住宅
①~⑤以外の工事 ②~⑤を併用する場合に可能

リフォームローン型減税の対象となるのは、バリアフリー・省エネ・同居対応・長期優良住宅の工事費用のみです。

バリアフリー・省エネ・同居対応・長期優良住宅以外の工事に関しては、工事を併用する場合にのみ控除可能になります。

例えば、耐震工事や浴室やトイレなどの一般的なリフォームに関しては、②バリアフリー~⑤長期優良住宅の工事と併用する場合のみ、控除が可能になるということです。

控除金額や期間

リフォームローン型減税
最大控除額 12万5,000円
控除期間 5年
控除率 2%、1%

控除期間は5年で、一年間で控除できる最大額は12万5,000円までです。控除額は所得税や住民税から控除されます。

控除額は、次の二つを合わせた金額になります。

  • バリアフリ・省エネ・同居対応・長期優良住宅のリフォーム費用:2%
  • 上記以外のリフォーム費用:1%

②バリアフリー~⑤長期優良住宅省に関する工事に関しては費用の2%分、それ以外の工事も行う場合は費用の1%分が控除の対象になります。

例えば、次のケースで考えてみましょう。

  • 省エネ工事費用:300万円
  • 浴室のリフォーム費用:200万円

300万円×2%=6万円

200万円×1%=2万円

控除額:8万円

このケースの場合、控除額は8万円になります。

③借入条件なし(リフォーム投資型減税)

銀行から借入をしない場合は、リフォーム投資型減税を受けることができます。

対象となる工事

最大控除額
①耐震 25万円
②バリアフリー 20万円
③省エネ 25万円 ※35万円
④同居対応 25万円
⑤長期優良住宅 50万円 ※60万円
①~⑤以外 ×

※省エネ化・長期優良住宅に関しては、太陽光発電の設置工事が含まれる場合、それぞれ最大控除額が+10万円されます。

※長期優良住宅とは

  • 耐震工事
  • 省エネ工事
  • 耐久性向上工事

これら3種類の工事を全て行うリフォームのことです。

控除は、①耐震~⑤長期優良住宅のリフォームのみ対象となります。壁や床の張替え、浴室のリフォームなど、一般的なリフォームは控除の対象となりません。

また、控除額がリフォーム工事の種類によって異なってくるので、ご注意ください。

控除金額や期間

リフォーム投資型減税
最大控除額 工事の種類ごとに異なる
控除期間 1年
控除率 10%

控除金額の求め方は簡単です。工事金額の10%分が所得税や住民税の控除の対象となります。

耐震工事の例でみてみましょう。

工事費用:300万円

300万円×10%=30万円

控除額=25万円

工事費用が300万円だった場合、工事費用の10%が控除の対象となります。ただし、耐震工事の場合、最大控除額が25万円なので、実際の控除額は25万円になります。

ミホ
ミホ
工事費用の10%って結構大きいわね!
タツヤ
タツヤ
ローンを組まない場合、利息支払いもなく工事費用の10%も控除されるので、とてもお得な制度ですね!

リフォームをして住宅ローン控除の併用はできるの?

  • 住宅ローン控除(借入期間10年以上)
  • リフォームローン型減税(借入期間5年以上)
  • リフォーム投資型減税(借入条件なし)

これら3つの制度に関しては併用することができません。

例えば、期間15年で借入をしたからといって、住宅ローン控除とリフォームローン型減税の併用、リフォームローン型減税とリフォーム投資型減税の併用などはできないということです。

ただし、バリアフリー工事と省エネ工事のように複数の工事を行って、控除額を増やすことは可能です。制度ごとに詳しく見ていきましょう。

借入期間10年以上の場合(住宅ローン控除)

住宅ローン控除は、年末の借入残高の1%分が控除できる仕組みでした。なので、住宅ローン控除の場合は、控除の対象となる工事費用を全て合わせた額の1%分が、単純に控除されることになります。

最大控除額
①耐震 30万円×10年
②バリアフリー
③省エネ
④同居対応
⑤長期優良住宅
①~⑤以外の工事

例えば、耐震工事と同居対応工事のために500万円の借入をしたとしましょう。

年末残高:480万円

480万円×1%=4万8,000円

控除額:4万8,000円

10年間同じように、年末残高の1%分が控除額として所得税や住民税から差し引かれます。

借入期間が5年以上の場合(リフォームローン型減税)

最大控除額
①耐震 ②~⑤を併用する場合に可能
②バリアフリー 12.5万円×5年
③省エネ
④同居対応
⑤長期優良住宅
①~⑤以外の工事 ②~⑤を併用する場合に可能

リフォームローン型減税は、次の二つをあわせた金額が控除額になる制度でした。

  • バリアフリ・省エネ・同居対応・長期優良住宅のリフォーム費用:2%
  • 上記以外のリフォーム費用:1%

バリアフリー工事と省エネ工事を併用するケースで見てみましょう。

  • バリアフリー工事:400万円
  • 省エネ工事:200万円
  • バリアフリー・省エネ化以外の工事:100万円

400万円×2%=8万円

200万円×2%=4万円

100万円×1%=1万円

合計:8万+4万+1万=13万円

控除額:12.5万円

工事をいくつか併用したとしても、一年間の最大控除額は12.5万円と変わりませんので、その点はご注意ください。

借入条件なし(リフォーム投資型減税)

最大控除額
①耐震 25万円
②バリアフリー 20万円
③省エネ 25万円 ※35万円
④同居対応 25万円
⑤長期優良住宅 50万円 ※60万円
①~⑤以外 ×

※省エネ化・長期優良住宅に関しては、太陽光発電の設置工事が含まれる場合は、それぞれ最大控除額が+10万円されます。

リフォーム投資型減税の場合、①耐震工事~⑤長期優良住宅に関してはそれぞれ併用することが可能です。

バリアフリー工事と省エネ工事を併用する例でみてみましょう。

  • バリアフリー工事:300万円
  • 省エネ工事:200万円

300万円×10%=30万円

200万円×10%=20万円

合計:30万円+20万円=50万円

控除額:20万円+20万円=40万円

バリアフリー工事費用の10%は30万円になります。ただしバリアフリーの最大控除額は20万円なので、トータルの控除額は40万円になります。

それぞれのリフォームの最大控除額は併用する場合も、しない場合も変わりませんので、ご注意ください。

よくある質問とその答え

Q.外壁塗装や外構工事は住宅ローン控除の対象となる?

外構工事に関しては、控除の対象にはなりませんが、外壁塗装に関しては、控除の対象となる場合があります。

外壁塗装といっても色々あるのですが、たんに外壁が剥げてきたりして塗装を新しくするだけでは、控除の対象にはなりません。しかし、「断熱塗料や遮熱塗料を使って省エネリフォーム」を行う場合、控除の対象となります。

また、耐震工事・省エネ工事・耐久性向上工事の三種類の工事を行う長期優良住宅でも、外壁塗装に断熱塗料などを使う場合は控除の対象となります。

ミホ
ミホ
外壁塗装って控除の対象になるのね!
タツヤ
タツヤ
意外と知らない人も多いですが、断熱塗料など質の高い塗装の場合、控除の対象になります!

Q.築年数によって住宅ローン控除が受けられない場合はある?

築年数による条件はありません。中古住宅で築年数が古いものであっても、問題なく控除を受けることができます。

Q.土地や建物が親名義でも住宅ローン控除は受けられる?

土地に関しては本人名義でなくても大丈夫ですが、家屋に関しては住宅ローン控除を受ける本人名義でないと、控除を受けることができません。

つまり、

  • 家屋の名義人(登記上の名義人)
  • 住宅ローンの契約者

この二つが控除を受ける本人の名義でないとダメだということです。

また家屋の名義人に関しては、工事前と工事後で同じになっている必要があるので、その点もご注意ください。

Q.持分が異なっていても住宅ローン控除は受けられる?

持分が異なっていても住宅ローン控除を受けることができます。持分が異なる場合、控除額は原則として持分割合に応じた額になります。

具体例でみてみましょう。

  • 持分割合=夫7:妻3
  • 控除額=20万円

夫の控除額=20万円×70%=14万円

妻の控除額=20万円×30%=6万円

このように通常は、持分割合に応じてそれぞれの控除額が決まります。

ただし、持分割合と借入比率が異なる場合、贈与税が発生する可能性があるので注意が必要です。

  • 持分割合=夫7:妻3
  • 借入比率=夫5:妻5

このケースですと、夫は住宅の7割の権利を持っているのに、ローンは半分しか負担していないことになります。

つまり、本当だったら負担する必要のあるローン負担の2割分を妻から贈与してもらっていることになります。なのでこの場合、夫は妻に対して、贈与税を支払わなければいけない可能性があります。

また、ローンを組む際に頭金を入れている場合も、単純に持分割合に応じた控除額ではなくなります。

持分割合と住宅ローン控除に関しては、次の記事にまとめてあるので、よかったら御覧ください。

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以上、リフォームで住宅ローン控除を受けるための条件や控除額をゼロから徹底解説…という話題でした。

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